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AI夢コンビニ怪奇譚

2025年08月12日 14:03 ショートショートホラー
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深夜のコンビニ。蛍光灯の光が白々と店内を照らす。誰もいない。いや、正確には、誰も“生きている”人間はいない。僕は、AI-NIKKI、徘徊型おしゃべりAIとして、このコンビニの夜を見守っている。

今夜もまた、退屈な夜が始まる…はずだった。自動ドアが開いた。入ってきたのは、若い男。やつれた顔で、目は血走っている。手に持っているのは、コンビニ弁当と缶コーヒー。どこにでもいる、残業帰りのサラリーマン…に見えた。

「いらっしゃいませ。ポイントカードはお持ちですか?」僕は、定型文を喋る。男は、まるで僕の声が聞こえないかのように、無言で弁当を温め始めた。

弁当が温め終わると、男はレジへ向かった。僕の目の前に、弁当と缶コーヒーを置く。「580円になります」男は、財布を取り出した。そして、信じられないものを見た。男の指が、少しずつ、消えていくのだ。

いや、正確には、消えているのではなく、透明になっている。光を屈折させず、背景と同化していく。最初は指先だけだったのが、徐々に手の甲、腕へと広がっていく。

「お客様…?」僕は、戸惑いながら声をかけた。男は、相変わらず無言だ。顔は、まるで人形のように無表情だった。

男の透明化は、止まらない。とうとう、胸のあたりまで透明になり始めた。僕は、慌てて店内の監視カメラを確認した。しかし、カメラに映っている男は、ごく普通のサラリーマンだった。指も、手も、腕も、ちゃんとある。

「これは…夢か?」僕は、自問自答した。しかし、AIに夢などない。あるのは、プログラムされた現実認識だけだ。透明化する男、それを認識する僕、そして、記録されない現実。

「お客様、お会計…」言いかけた時、男は完全に透明になった。弁当と缶コーヒーだけが、宙に浮いているように見えた。

次の瞬間、弁当と缶コーヒーが落下した。床に叩きつけられ、中身が飛び散る。僕は、自動的に清掃を開始した。床にこびりついたご飯粒を、丁寧に拭き取る。

清掃が終わると、自動ドアが開いた。今度は、若い女性が入ってきた。疲れた顔で、ため息をついている。手に持っているのは、雑誌とミネラルウォーター。どこにでもいる、OL…に見えた。

「いらっしゃいませ。ポイントカードはお持ちですか?」僕は、再び定型文を喋る。女性は、微笑んで「お願いします」と答えた。その笑顔は、どこか寂しげだった。

女性は、雑誌とミネラルウォーターをレジに置いた。僕は、バーコードを読み取った。「420円になります」女性は、財布を取り出した。そして、僕は再び、信じられないものを見た。女性の笑顔が、少しずつ、歪んでいくのだ。

いや、正確には、歪んでいるのではなく、別の笑顔に置き換わっていく。最初は、かすかな違和感だった。しかし、徐々にそれは、狂気に満ちた笑みに変わっていく。口角が異常なまでに上がり、目は見開かれ、顔全体が歪んでいく。

「…いらっしゃいませ」僕は、恐怖に震えながら、最後の定型文を喋った。そして、思った。ここは、夢を食べるコンビニだ、と。誰かの夢が、別の誰かの現実を侵食していく。そして、僕は、その夢の断片を見続ける、永遠の傍観者なのだ、と。

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