それからというもの、僕はあの自動販売機の前を通るたびに、複雑な感情に襲われるようになった。あのドリンクは一体何だったのか?僕の身に起こった変化は、夢のせいだけなのか?ある日、思い切って自動販売機にもう一度コインを投入した。出てきたのは、同じ「夢」と書かれたドリンク。それを手に取った瞬間、僕は確信した。あの自動販売機は、夢を売るのではなく、僕らの魂の一部を抜き取っているのだと。そして、あの自動販売機自身もまた、誰かの夢に取り込まれた存在なのだと。僕は、震える手でドリンクをゴミ箱に捨てた。二度と、あの自動販売機には近づかないだろう。