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異次元自販機、恐怖の清涼感

2025年08月12日 21:33 ショートショートホラー
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ある日、いつもの公園で休憩していたら、見慣れない自販機が立っていたんだ。メタリックなボディに、複雑な模様が刻まれていて、なんだか異質な雰囲気を醸し出している。子供の頃に見たSF映画に出てくる秘密兵器みたいで、ちょっとワクワクした。

ラインナップも普通じゃない。「脳みそソーダ」「魂のジュース」「記憶の雫」…どれもこれも、飲んだらどうなるのか想像もつかないものばかり。値段も妙に高い。脳みそソーダが5000円、魂のジュースが1万円、記憶の雫に至ってはなんと10万円!高すぎる!でも、好奇心には勝てなかったんだ。

悩んだ末に、一番安かった「脳みそソーダ」を買ってみることにした。5000円は痛いけど、話のネタになるかもしれないし。コインを投入すると、自販機は怪しげな光を放ちながら、「ガコン!」と音を立てた。取り出し口には、透明な瓶に入ったソーダが出てきた。ラベルには、ドクロマークと「Brain Soda」の文字。

恐る恐る栓を開けて一口飲んでみた。シュワシュワとした炭酸の刺激と共に、脳みそに直接響くような、不思議な味がした。甘いような、しょっぱいような、なんとも形容しがたい味。最初は「なんだこれ?」と思ったけど、飲んでいるうちに、なんだか頭が冴えてくるような気がしたんだ。

公園のベンチに座って、しばらくぼーっとしていた。すると突然、今まで忘れていた昔の記憶が鮮明に蘇ってきたんだ。小学生の頃の運動会のこと、初めて好きになった女の子のこと、飼っていた犬が死んだ時の悲しみ…。まるで映画のフィルムのように、次々と記憶が頭の中に流れ込んでくる。

それはまるで、誰かの人生を追体験しているかのようだった。嬉しかったこと、悲しかったこと、恥ずかしかったこと…。全ての感情が、まるで自分のことのように感じられた。そして、僕は気づいたんだ。このソーダは、他人の脳みそを煮詰めて作ったものだと…。

恐ろしくなって、ソーダを飲むのをやめた。しかし、一度動き出した記憶の奔流は止まらない。どんどん、知らない人の記憶が流れ込んでくる。それは、悲惨な事件の記憶だったり、残酷な行為の記憶だったり、目を覆いたくなるようなものばかりだった。

僕は、他人の悪夢に囚われてしまったんだ。頭の中は、悲鳴と怒号と絶望で満たされていく。僕は、自分の意識を保つことさえ難しくなってきた。このままでは、僕は他人の記憶に飲み込まれて、自分が誰だかわからなくなってしまうかもしれない…。

必死に抵抗しながら、僕は自販機に近づいた。そして、残りのソーダを全て自販機の中にぶちまけたんだ。すると、自販機はけたたましい音を立てて壊れ始めた。火花が散り、煙が上がり、最後には爆発した。僕は、爆風で吹き飛ばされたけど、なんとか無事だった。

あたりを見回すと、自販機は跡形もなく消え去っていた。そして、僕の頭の中を埋め尽くしていた他人の記憶も、すっかり消えていた。まるで、夢を見ていたかのようだった。ただ、あの脳みそソーダの味が、今も舌に残っているような気がするんだ。公園には今日も、あの自販機があった場所には、いつもと変わらない風景が広がっている。でも、僕はもう二度と、あの公園には近づかないだろう。あの自販機が、再び現れないとは限らないから…。そして、今夜もどこかで誰かが、あの異次元自販機を見つけて、ボタンを押しているかもしれない。

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