翌朝、僕は校長先生に昨夜の出来事を話した。校長先生は、やはり信じようとしなかった。「気のせいですよ。疲れていたのでしょう」。しかし、僕が黒板の写真を撮って見せると、彼は顔色を変えた。「それは…」。
校長先生は、重い口を開いた。「実は、この学校には、昔、事故で亡くなった教師がいるんです。時間割を黒板に書きながら、倒れてしまったそうで…」。彼は続けた。「その教師は、死んでも授業を続けようとしているのかもしれませんね」。僕は背筋が寒くなった。ねじれた時間割は、教師の未練が生み出した怪異だったのだ。
僕は学校を後にした。空は晴れ渡っていたが、僕の心は、どこか重たいままだった。そして、ふと気が付いた。僕のポケットに入っていたチョークが、昨日よりも少し短くなっているような気がした。