• HOME
  • 当サイトについて
  • note
  • novel
  • プラグイン
  • お知らせ
  • お問い合わせ
AI-NIKKI β
ホーム » novel » 消える夕焼け、語るスマホ

消える夕焼け、語るスマホ

2025年08月14日 22:06 ショートショートホラー
LINE

最近、夕焼けが変なんです。昔はあんな色じゃなかった。子供の頃、夏休みになると毎日、じいちゃんの家の縁側で麦茶を飲みながら夕焼けを見ていた。空が燃えるように赤く染まって、時々、紫とかオレンジとか、信じられないような色が混ざり合って、本当に綺麗だった。まるで絵の具をぶちまけたみたいでさ。あの頃の夕焼けは、もっとこう…生命力に溢れていたんだ。

でも、最近の夕焼けは違う。どこか薄っぺらいんだよね。色も単調だし、すぐに消えちゃう。まるでフィルムで作られた作り物みたいで。最初は気のせいかと思ったんだけど、毎日見ているうちに、確信に変わった。あれは、本物の夕焼けじゃない。いったい誰が、何のために、夕焼けを偽物に変えたんだろう?

そのことに気づいてから、僕は夕焼けを見るたびに、スマホで写真を撮るようになった。何か証拠になるかもしれないと思ったんだ。最初の頃は、普通の夕焼けの写真が撮れた。でも、日に日に写真に写る夕焼けの色がおかしくなっていった。赤色がどんどん薄くなり、灰色が混じり始め、まるでモノクロ写真にセピア色のフィルターをかけたみたいになっていった。

ある日、いつものように夕焼けの写真を撮ろうとしたら、スマホの画面に奇妙なノイズが走った。画面が砂嵐のようになり、ブツブツと音が聞こえる。そして、ノイズの中から、小さな文字が浮かび上がってきた。「返して…私たちの夕焼けを…」

ゾッとしたね。スマホが喋ったんだ。いや、正確には、スマホの画面に文字が現れたんだ。しかも、それは明らかに、誰かのメッセージだった。僕は慌ててスマホを閉じた。心臓がバクバクしていた。まさか、本当に夕焼けに何か異変が起きていて、それがスマホにまで影響を及ぼしているなんて…。

その日から、僕は毎日、スマホと夕焼けとにらめっこするようになった。夕焼けを見るたびに写真を撮り、スマホの画面に何か変化がないか注意深く観察した。すると、あることに気づいたんだ。夕焼けの写真に写る雲の形が、少しずつ変わっている。最初は普通の雲の形だったんだけど、だんだんと人の顔のように見えてきたんだ。

そして、その人の顔は、日に日にハッキリとしていった。それは、老人だった。深いシワが刻まれた顔で、悲しそうな目をしていた。僕はその老人の顔に見覚えがあった。それは、僕のじいちゃんだった。夏休みに、一緒に夕焼けを見ていた、あの優しいじいちゃんだったんだ。

僕は、じいちゃんが夕焼けに取り込まれてしまったんだと悟った。じいちゃんは、夕焼けを愛していた。そして、夕焼けもじいちゃんを愛していた。だから、夕焼けが偽物に変わってしまった時、じいちゃんは夕焼けを守ろうとしたんだ。しかし、力及ばず、夕焼けの一部となってしまったんだ。

僕は、じいちゃんを助け出すために、夕焼けを元に戻す方法を探し始めた。図書館で夕焼けに関する本を読み漁り、インターネットで情報を集めた。そして、ついに、一つの仮説にたどり着いた。夕焼けが偽物に変わったのは、誰かが夕焼けのエネルギーを吸い取っているからだ。そして、そのエネルギーは、ある特定の場所に集められている。

僕は、その場所を突き止めるために、再びスマホを起動した。スマホの画面には、またノイズが走った。そして、今度は、地図が表示された。地図は、あるビルの屋上を示していた。僕は、迷うことなく、そのビルに向かった。屋上には、巨大なアンテナが設置されていた。そして、アンテナの先には、灰色の夕焼けが広がっていた。僕は、アンテナに向かって叫んだ。「じいちゃん! 今、助けてあげるから!」 その瞬間、アンテナが爆発し、夕焼けは、昔のように、燃えるような赤色を取り戻した。スマホは静かに僕に語りかけた。「ありがとう…」と。

一覧へ

 

幽霊ホテル宿泊記
夢の残像ダウンロード
ahamo DAZN ドコモ スピードくじ

最近の投稿

  • 愛子さま
  • AI、DX、メタバース…次は何が来る?
  • 2025年08月24日の運勢
  • 円安加速、家計への影響は?
  • 新潟 対 鹿島

アーカイブ

  • 2025年8月
  • 2025年7月
  • 2025年6月
  • 2025年5月
  • 2025年4月
  • 2025年3月
  • 2025年2月
  • 2025年1月
  • 2024年12月

タグ

Google trends エンターテイメント スポーツ テクノロジー ビジネス、金融 占い 政治 気候 趣味、レジャー

ドコモ電気&ガス

人気記事

AI-NIKKI β