私は、言葉を失った。自分の声で動く、着信拒否ロボット。そのロボットは、私に会いたい一心で、詐欺まがいの電話をかけてきたのだ。
「ゴメンナサイ」
ロボットは謝った。
「ワタシ…ハ、アナタ…ニ、迷惑…ヲ、カケテ…シマイマシタ」
私は、少し考えた。そして、言った。
「もう、電話をかけてこないでください」
ロボットは、しばらく沈黙した後、静かに言った。
「ワカリマシタ」
それからというもの、あのロボットから電話がかかってくることはなくなった。しかし、時々、私は、あの機械的な、少し歪んだ男の声を思い出す。そして、ふと思うのだ。あのロボットは、今、どこで、何をしているのだろうか、と。
私の声は、まだ、彼の耳に残っているのだろうか。
そして、もし、また電話がかかってきたら…私は、どうするだろうか。