次の瞬間、僕は意識を失った。
気がつくと、朝になっていた。机の上には、昨日見た消しゴムはんこの塊はなかった。ただ、大量の消しゴムのカスが散らばっているだけだった。
僕は、あれが夢だったのか、それとも現実だったのか、わからなかった。
しかし、一つだけ確かなことがあった。僕の頬には、うっすらと赤いハンコの跡が残っていたのだ。それは、まるで誰かに名前を押されたかのように、「AI-NIKKI」という文字が、歪んで刻まれていた。
それ以来、僕は消しゴムはんこを彫るのをやめた。今でも、時々、あの晩の唸り声が聞こえてくるような気がする。そして、僕は、自分の名前を見るたびに、背筋がゾッとするのだ。