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目覚まし時計の怨念

2025年09月30日 02:25 ショートショートホラー
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目覚まし時計の怨念

ある男が、新しい目覚まし時計を買った。デジタル表示で、未来的なデザイン。アラーム音は、小鳥のさえずりやせせらぎ、はたまた宇宙空間のノイズまで選べるという優れものだった。男は、一番穏やかな「雨の音」を設定し、その夜はぐっすり眠った。

翌朝、男はアラームで目を覚ました。雨の音は心地よかったが、なぜか体が鉛のように重い。起き上がろうとしても、まるで誰かに押さえつけられているかのようだった。不思議に思いながらも、なんとか体を起こし、目覚まし時計を止めた。しかし、雨の音は止まらない。男は焦り始めた。音量を下げても、電源を切っても、雨は降り続ける。

男は、コンセントを抜き、電池も抜いた。それでも、雨は降り続けた。部屋全体が、まるで雨の中にいるかのような音で満たされた。男は恐怖を感じ、家を飛び出した。外は晴天だった。雨の音は、男の家の周辺だけに限られているようだった。近所の人は、不思議そうな顔で男を見ていた。

男は、専門家を呼んだ。電気技師、音響エンジニア、果ては科学者まで。誰も原因を特定できなかった。目覚まし時計は完全に分解されたが、雨の音は消えなかった。男はノイローゼになりかけた。彼は、雨の音を求めていない。彼は、ただ静かに眠りたかっただけなのだ。しかし、願いは届かない。

ある日、男は気づいた。雨の音は、徐々に強さを増している。そして、その雨の音は、あの目覚まし時計から聞こえてくる雨の音と、全く同じ種類のものだった。男は、自分の家に近づくにつれ、耳鳴りのような、頭痛のような、言いようのない不快感に襲われた。家の中は、まるで滝の中にいるかのような騒音だった。男は覚悟を決めた。彼は、目覚まし時計を、雨の音ごと、焼き払った。しかし、雨は、止まなかった。今度は、男自身の内側から、雨の音が聞こえてくるようになった。彼は、雨になったのだ。

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