翌日、男はアパートの管理人に、自動販売機の件を相談した。管理人は「ああ、あれね。老朽化が酷かったから、昨日撤去したんですよ」とあっけらかんと言った。男は老人の霊のことを話そうとしたが、馬鹿にされるのが怖くてやめた。その夜、男は再びアパートの前を通った。そこには、新しい自動販売機が設置されていた。男は、恐る恐る自動販売機に近づいた。すると、ディスプレイに映し出された商品の一覧の中に、「天国のジュース」と書かれた見慣れない飲み物があることに気が付いた。値段は、たったの1円。男は、思わずそのボタンを押してしまった。