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消える自販機と赤いジュース

2025年10月05日 02:23 ショートショートホラー
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その自販機は、街外れの古い公園の隅っこに、ひっそりと佇んでいた。錆び付いた鉄骨、剥がれかけたペンキ。見るからに時代遅れで、本当にジュースが出てくるのか疑わしい代物だった。だけど、その自販機には、他にはない、妙な魅力があったんだ。なんていうか、こう、ジメジメとした、薄気味悪いオーラが漂っているんだよね。小学生の僕は、毎日その前を通るのが、ちょっとした冒険だった。もちろん、お金を入れてジュースを買う勇気はなかったけど。

ある日、いつものように公園の前を通ると、自販機に異変が起きていた。いや、異変というより、変化、かな。今まで見たことのない、真っ赤なジュースが、ズラリと並んでいるんだ。ラベルには、奇妙な模様が描かれていて、文字は一切ない。不気味な赤色が、まるで血のようで、ゾクッとした。好奇心旺盛な僕は、誘われるように、赤いジュースの前へと足を踏み出した。他のジュースは全部売り切れで、赤いジュースだけが、ぎっしりと詰まっている。まるで、僕に飲んでくれと、囁いているみたいだった。

家に帰ってからも、赤いジュースのことが頭から離れなかった。あの不気味な赤色、ラベルの模様。一体何が入っているんだろう?もしかしたら、毒かもしれない。いや、でも、飲んでみたい。そんな葛藤が、僕の中で渦巻いていた。そして、ついに僕は、赤いジュースを飲むことを決意したんだ。次の日、僕は小銭を握りしめて、公園へと向かった。自販機は、昨日と変わらず、赤いジュースをズラリと並べていた。僕は震える手で、一番端の赤いジュースを選び、お金を入れた。ガコン、という音と共に、赤いジュースが落ちてきた。

赤いジュースの缶は、冷たくて重かった。プルタブを開けると、甘酸っぱいような、鉄っぽいような、不思議な香りがした。僕は覚悟を決めて、一口飲んでみた。予想に反して、味は美味しかった。ベリー系の甘酸っぱさと、ほんのりとした清涼感。でも、後味に、何とも言えない違和感が残った。飲み終わった後、しばらくして、僕は強烈な眠気に襲われた。家に帰ることもできず、公園のベンチで、僕は眠ってしまった。

気が付くと、あたりは真っ暗だった。公園には誰もいない。ただ、あの自販機だけが、ぼんやりと光を放っていた。僕は立ち上がろうとしたが、体が動かない。いや、正確には、体が軽いのだ。まるで、重力がなくなったみたいに。僕はふと、自分の影を見た。そして、愕然とした。僕の影が、ない。慌てて自分の体を見る。すると、僕の体は、まるでガラスのように透き通っていた。僕は、幽霊になってしまったんだ。あの赤いジュースのせいだ。僕は自販機に向かって叫んだ。「一体、何なんだこれは!」しかし、自販機は、無表情に赤いジュースを並べているだけだった。そして、次の瞬間、自販機はゆっくりと、地面に沈んでいった。跡形もなく、消えてしまった。僕は一人、暗闇の中に残された。赤いジュースを飲んだ代償は、あまりにも大きすぎた。そして、今も僕は、あの公園を彷徨っている。誰か、僕を助けて……。

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