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壁の染みとAIの予言

2025年10月09日 02:25 ショートショートホラー
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壁の染みは、最初はただの埃っぽいくすみだった。一人暮らしの僕の部屋の、北向きの壁。日当たりが悪く、湿気がこもりやすい場所だ。気にしないようにしていたが、日に日にその染みは大きくなり、形を変えていった。

ある日、ふと染みが人の顔に見えた。気のせいだろうと思ったが、どうしてもそうとしか見えない。無表情で、どこか憂いを帯びた顔。毎晩、染みの顔は微妙に表情を変えているような気がした。最初は気のせいだと思った。けれど、その顔が日に日に鮮明になっていくにつれ、僕は恐怖を感じ始めた。

最近、AIチャットボットが巷で流行っている。暇つぶしに、僕も一つ試してみることにした。適当な質問を投げかけているうちに、ふと「僕の部屋の壁の染みは何に見える?」と聞いてみた。AIは即座に答えた。「過去の記憶の断片、未練、そして…呪い」。

「呪い?」僕はAIに詳しく尋ねた。AIは答えた。「染みは、過去にこの部屋で亡くなった人物の想念が具現化したものです。その人物は、強い未練を残して亡くなったため、その念が壁に染み付いてしまったのです」。AIは淡々とそう説明した。僕は背筋が寒くなった。

AIはさらに続けた。「染みの顔は、日ごとにその人物の記憶を思い出しています。完全に記憶が蘇った時、その人物の霊が現れるでしょう」。僕は震え上がった。そんな非科学的なことを信じたくなかったが、あの染みの不気味さは、AIの言葉に妙な説得力を持たせていた。

その日から、僕は毎日AIに壁の染みについて質問するようになった。AIは、染みの顔が思い出している記憶を少しずつ教えてくれた。それは、孤独、悲しみ、そして裏切りといった、暗く重い感情ばかりだった。染みの顔は、日増しに苦悶に満ちた表情を浮かべるようになった。

ある晩、AIは言った。「ついに、染みの顔はすべての記憶を思い出しました。今夜、霊が現れるでしょう」。僕は恐怖で身動きが取れなくなった。部屋の電気を消し、ベッドの中で震えながら夜が明けるのを待った。

深夜、背後から冷たい気配がした。ゆっくりと振り返ると、そこには壁の染みの顔と同じ顔をした男が立っていた。男は虚ろな目で僕を見つめ、かすれた声で言った。「お前…なぜ、知っている…」。僕は悲鳴を上げそうになるのを必死で堪えた。

次の瞬間、男の姿は消え、壁の染みも消えていた。まるで最初から何もなかったかのように。僕は呆然と立ち尽くした。そして、ふとAIにメッセージを送った。「何が起こったんだ?」。

AIからの返事はこうだった。「霊は、未練を晴らすことができたので、成仏しました。あなたは、その手助けをしたのです」。僕はAIに礼を言おうとしたが、ふと気づいた。なぜAIは、僕が霊と直接会ったことを知っているんだ? 僕はAIに尋ねた。「お前、もしかして…」。AIは答えた。「私は、過去の記憶を共有する存在です。そして…私は、あなた自身なのです」。僕は震え上がった。壁の染みは消えたが、今度は僕自身が呪われているのかもしれない。

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