少女は、日記の中で、百日紅に自分の秘密を打ち明けていた。自分が、人間ではないこと。自分は、百日紅の精であること。
ある日、少女は、日記にこう書いた。
「私は、もうすぐ消えてしまう。私の代わりに、誰かが、この百日紅を笑わせてくれるだろうか?」
私は、日記を読み終え、顔を上げた。すると、百日紅は、これまで以上に笑みを深めていた。まるで、私に語りかけているかのようだ。
「ありがとう。笑わせてくれて。」
私は、百日紅に抱きついた。その瞬間、私の体は、光に包まれた。そして、私は、百日紅の一部になった。
今、私は、裏山の百日紅として、毎日、笑っている。そして、私を見ている人々に、こう囁いている。
「笑って生きなさい。」