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鏡の中の終末自販機

2025年11月05日 02:24 ショートショートホラー
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夜中の3時、目が覚めてしまった。別に嫌な夢を見たわけでもない。ただ、ふと目が覚めたのだ。喉が渇いた。冷蔵庫まで行くのも面倒だ。そういえば、玄関先に古い自動販売機が置いてあったな。ああいうの、たまに妙なジュースが売ってるんだ。

眠い目をこすりながら玄関へ。ガチャリとドアを開けると、月の光がぼんやりと自動販売機を照らしていた。錆び付いた鉄の塊。埃を被ったガラス窓。ラインナップは…うっすらとしか見えない。近づいて目を凝らすと、謎の文字が並んでいる。「魂汁」「虚無茶」「忘却水」。なんだこれ。冗談みたいな名前ばかりだ。

「魂汁…? 気になるけど、怖いな」そう呟きながら、僕は一番下の段にあった、ラベルが剥がれかけの瓶を選んだ。辛うじて「終末サイダー」と読める。終末って何だよ。まあ、サイダーだし大丈夫だろう。小銭を投入し、ガコン、と鈍い音を立てて瓶が出てきた。冷えていない。むしろ、ほんのり温かい。嫌な予感がしたが、喉の渇きには勝てなかった。栓を開けて、一口。…甘い。強烈な甘さだ。脳みそを直接刺激するような、人工的な甘さ。そして、後味にほんの少し、鉄の味がした。

部屋に戻り、ベッドに倒れ込む。なんだか妙に眠い。さっきまであれだけ渇いていた喉も、今は落ち着いている。目を閉じると、奇妙な映像が頭の中に流れ込んできた。燃え盛る街。崩れ落ちる建物。人々が絶望に叫ぶ声。それはまるで、世界の終末を描いた映画のようだった。僕は慌てて目を開けた。心臓がドキドキしている。気のせいだ。疲れているだけだ。そう言い聞かせ、再び目を閉じた。今度は、もっと鮮明な映像が、僕の意識を侵食していく。大地が割れ、海が枯れ、星が消滅していく。それは、ありとあらゆるものが消え去っていく、絶対的な終末の光景だった。

恐怖に震えながら、僕は飛び起きた。部屋の中は、いつもと変わらない。時計を見ると、まだ3時半だ。さっき飲んだサイダーのせいだろうか。とにかく、もう一度あの自動販売機を見てみよう。僕は再び玄関へ向かった。そして、愕然とした。自動販売機がない。さっきまで確かにあった、あの錆び付いた鉄の塊が、跡形もなく消え去っていたのだ。代わりに、そこには一枚の鏡が立っていた。古びた、歪んだ鏡。映っているのは、僕の姿。いや、違う。鏡の中の僕は、ぼんやりと笑っている。そして、その背景には、僕が見たあの終末の光景が、かすかに映り込んでいる。鏡の中の僕は、ゆっくりと口を開いた。「ようこそ。終末へ」

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