そして数年後、デパートは改装され、そのエレベーターは撤去された。新しいエレベーターが設置されたが、なぜか、そのエレベーターは故障が多かった。
ある日、そのエレベーターに乗っていた客が、奇妙な体験をした。エレベーターが動き出すと、微かに、あのエレベーターガールの声が聞こえたのだ。「いらっしゃいませ…何階で…ございます…か…」
客は恐怖に駆られ、すぐにエレベーターを降りた。そして、二度とそのエレベーターに乗ることはなかった。デパートの噂によれば、今でも時々、あのエレベーターからは、彼女の声が聞こえるという。そして、その声を聞いた者は、決して幸せにはなれないらしい。まるで、忘れ去られた存在の、静かなる復讐のように。